近所に住む北村陽君のおじいちゃんに彼が幼稚園の頃からチェロ頑張っていると聞いてましたし、アルカイックホールのコンサートも行ったことがありました。が、しかし陽君がこんなにもすごいお子になるとは思ってもみませんでした〜。現在13歳。この春兵庫県立芦屋国際に入学しました。
6月、カザフスタンで開かれた若手音楽家の登竜門「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」のチェロ部門で1位に輝きましたね。勝負を決めた曲はチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」です。
うれしいことに10月14日、彼が住む西宮市の西宮県立芸術文化センターで同じ曲を披露することになっています。とても楽しみですね。
<陽君とチェロの出会い>
陽君は、3歳の頃ディズニー映画に登場したファゴットと、コンサートで聴いたコントラバスに魅力を感じました。しかし、両方とも大きく、子供用の楽器は見当たりませんでした。諦めきれずに図鑑を眺めていると、ファゴットと似た音域で、コントラバスに形が近いチェロを発見したのです。ダンボールで楽器を摸し、自分の歌で音を奏でながら半年間もチェリストのまねごとをしていました。
こうして4歳でチェロを習い始め、最年少の小学2年生で県立芸術文化センターの佐渡裕スーパーキッズ・オーケストラに入りました。(この時8歳)
入団後は東日本大震災から1年後の被災地でのコンサートに参加しました。震災の爪痕が残る中での演奏でしたが、「聴いた人が涙を流したり、笑顔になったりしたのがうれしかった」と感想を話していました。
初挑戦のコンクールも、「緊張したほうがうまく弾ける」と気負いはなく、最終審査で協奏曲が課題として出され「ロココ風の主題による変奏曲」を選びました。「オケとの掛け合いが楽しく、1番好きな曲」といいます。
演奏を終えると拍手喝采!「音楽が大好きなのが伝わったのかなぁ」とはにかむ陽君の趣味は折り紙です。折り紙は、1時間以上かけて、バラの花の細部まで作り込みます。(折り紙でバラをつくる)
陽君の夢は、「音を聴いて『この人の演奏だ』とわかる、自分だけの音を持ったチェリストになること」。折り紙で集中力を養い、練習に励む13歳、将来が楽しみです。
北村陽
2004年西宮市生まれ。
4歳からチェロを始める。
優勝経験
大阪国際音楽コンクール
全日本芸術コンクール全国大会
泉の森ジュニアチェロコンクール
佐渡裕とスーパーキッズ・オーケストラに最年少(小2)で入団
「題名のない音楽会」出演
関西フィルハーモニー管弦楽団と多数共演
2015年、東京交響楽団と共演
2016年、大阪フィルハーモニー交響楽団と共演。
初リサイタル10歳
BSジャパン「エンター・ザ・ミュージック」横山幸雄氏と共演。
第37回草津夏期国際音楽アカデミーでは奨学生としてヴォルフガング・ベッチャー
フィリップ・ミュレール、シュテファン・コンツ各氏のマスタークラスを受講
山崎伸子、太田真実、故ギア・ケオシヴィリ各氏に師事
追伸 お尋ねがあったのですが、陽君のご両親は音楽に関わっている方ではないと思います。ご家庭が音楽に親しんでるから、結果そうなる、という感じではこちらは当てはまらない(^^)