2016年03月25日

バカをつくる学校「そして子どもはこうなった」








バカをつくる学校「読み・書き・計算」は百時間で学べる
バカをつくる学校「7つの教育方針」
バカをつくる学校「隠れたカリキュラム」
バカをつくる学校「義務教育はこうして生まれた」


Dumbing Us Down: the Hidden Curriculum of Compulsory Schooling

では、このように成長に必要な時間を奪われ、抽象的な概念しか与えられない子どもたちは、いったいどうなるのか。


@「大人の世界に無関心になる」
昔の子どもにとって、大人が何を考えているかを探るのはじつに刺激的な行為だった。しかし、最近では、誰も子どもが成長することを望まず、何より子どもたち自身がそれを望んでいない。彼らを責める資格は誰にもない。大人はただのおもちゃになったのである。


A「集中力がほとんどなく、あっても長続きしない」
今の子どもは、自分で選んだことに対してさえ、集中力が持続しない。これはチャイムによる強制的中断と関係があるのではないだろうか。


B「未来に対する認識が乏しく、明日が今日とつながっているという感覚がない」
彼らは現実の連続の中で生きており、その瞬間、瞬間が彼らの意識の境界になっている。


C「歴史に関心がない」
彼らは過去が現在をどう運命づけ、自分たちの選択にどう影響し、価値観や生活をどう形成したかということに興味を示さない。


D「他人に対して残酷になる」
勝っラは不幸な人への思いやりに欠け、弱い人や助けが必要な人を馬鹿にする。


E「親しさや正直さを拒絶する」
彼らは他人と親しくすることができない。それは、テレビの影響による偽りのイメージや、教師を操るための見せかけの態度の中に、本当の自分を隠してきたからだ。他人の親しさに触れると、その見せかけのイメージが壊れるため、彼らは親密になることを避けようとする。


F「物質主義的になる」
彼らはあらゆることに成績をつける教師や、なんでもかんでも商品にしてしまうテレビの影響で、精神的なものを無視する傾向がある。


G「依存的で、受け身で、新しい挑戦に臆病になる」
彼らはしばしばこの臆病さを、強がりや怒り、攻撃的な態度によって隠そうとするが、その下には無防備な弱い自分がいる。



この他にも、教育改革が取り組むべき問題はたくさんある。しかし、同意を得られるかどうかは別として、私はこうした病的パターンの原因が、学校もしくはテレビ、あるいはその両方にあると思っている。



ちょっとした計算でわかることだが、子どもたちは他の原因が生じる余地もないほど、この2つに時間を奪われているのだ。
以上



「ネパールの蒼い空」という岩村昇医師の著書の中で、
岩村医師がコレラや結核で親を亡くし孤児になった子どもたちを引き取り育てていた中の1人、バブラム少年は、9歳の時から4年間、放浪の旅をつづけてインドまで行き、その武勇伝を語る場面があります。



実はネパールの山の子どもたちにとっては、これは案外普通のことだと書かれてあります。彼らは、5.6歳にもなればちょいちょい使い走りなどで山を超えたりする。男子12〜3歳にもなれば諸国行脚の夢に燃え、たとえば道連れの友だちが見つかったりすると、ひょいと草刈りに出たまま帰ってこなかったりします。



これはネパール語で「グムネ」といい、当の母親たちは、最初は心配しているが、そのうちに「あ〜グムネだ〜」と得心します。日本では考えられないですね。



山の子たちは、5.6歳になれば立派な労働者で、村になにか相談事が起きた場合、この子どもたちも立派な発言権があります。大人たちと同列に並んで発言します。「子どもは黙ってろ」とかなく、子どもたちが堂々といろいろなことを発言し、大人たちもそれを黙って聞いているのです。



こういうこともあり、12〜3歳になって「グムネ」に出かけるのは彼らにとってなんでもないことのようです。この著書は、50年くらい前に岩村医師がネパールに行き、公衆衛生医として現地に下ろし、草の根の人びとと生きた記録です。


ネパールに大地震が起きたのが昨年2015年4月です。こうした人びとは今どのように生きているでしょうか。地震が起きたとき、テレビ画面に観たネパールの山岳地帯は、岩村医師の本の中と同じように私は感じました。岩村医師が活躍していた時から50年、基本は変わっていないような気がします。



苦しい生活は続いているようですが、ネパールの人びとはわたしたちとは全く違う価値観で日々を営んでいます。モノを持たず、裸足で、明日を夢見る子どもたち。岩村医師には彼らの瞳はキラキラと輝いて見えたことでしょうね。


バカをつくる学校「学校教育の第4の目的」へ続く






バカをつくる学校
ジョン・テイラー・ガット著より
posted by キキ at 00:00 | 書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする